これまで私は「政治」という観点からしか、世の中を見ていなかったが、
「陰謀論」という視点からも見ることによって、よりはっきりと、世の中全体の動きが見え、ありとあらゆることに納得が行き、理解できるようになった。
また、それと同時に、
この世界の悪なる支配体制を目の当たりにして行くにつれ、
気持ちはげんなりし、興醒めし、
半ば諦めモードとなり、
泥水に真水を数滴投じるような想いで、情報発信をするようになっていた。
ただそれでも、SNSは見続け、
情報収集をしている内に、「ある方」のブログに辿り着いた。
「その方」の記事の数々は、世の中の陰謀論とは、少し違う視点から説明されていて、
その根源となっている主張は、「彼ら支配者層の正体は、悪魔崇拝者である」というものだった。
少し前までの自分だったら、
この情報を見た時に、素通りしてしまったかもしれない。
しかし今の自分が見た時に、
「彼らの狂気の正体は、それなんじゃないか!?」と、思った。
そう考えると、合点がいくことや、
その前提で書かれている他の様々な記事も読んでみて、あらゆる事柄について理路整然と説明がついていたので、「これが真実の可能性が高い」と思った。
それに、具体的なイメージもついた。
「悪魔を拝むか…彼らなら、如何にもやっていそうだな…」と。
"悪魔崇拝" というキーワードによって、今まで謎だった部分が一気にクリアになり、一本の線で繋がって見えた。
そして悪魔崇拝について、「その方」のブログをさらに深堀りしていくと、
その根底には、神様への反逆があり、「聖書の教えと真逆のことばかりをしている」ということがあるのだと知った。
「キリスト教…か…」
宗教、しかも外国の宗教とは、正直これまで、自分の人生で無縁のことだと思っていた。
今から数十年前、
某宗教団体が社会的大問題を引き起こし、それ以来この日本においては宗教アレルギーが蔓延し、宗教は危ないものだ という認識が、国民の間に広まった。
今にして思えば、私自身もこの時、そういう認識を植え付けられていたように思う。
ただしそれは、その「某宗教団体が危険な団体だった」という話であり、その範囲は、宗教全体に及ぶものではない。
実際に、世界中の国々にはあらゆる宗教が存在しており、宗教は各国の社会の中に深く根付いている。
逆に、事実上の無神論の国の方が、遥かに少ない。 この日本を含めて、世界に6ヶ国しかないそうだ。
その中において、「キリスト教」は世界最大の宗教であり、キリスト教徒は世界の総人口の3割以上を占めると言われている。
世界的に見れば、この日本という国が、かなり特殊なだけなのだ。
そういう意味で私は、「キリスト教」自体に特に偏見は無かったし、
むしろ「支配者層の正体は悪魔崇拝者であり、聖書の教えと真逆のことばかりをしている」という事実を知って、"聖書" という書物に、興味を持った。
聖書には、一体どのようなことが書かれているのだろうか…?
この時私は、人生のターニングポイントを迎えていて、
「この世界とは…」「人間とは…」「残りの人生、なにか善い生き方をしたい…」
そういうことについて、ちょうど知りたいと思っていたところだった。
(第11話へ続く)