パソコンは、ニュースを見る為、映画や動画を見る為、ちょっとした調べ物をする為くらいにしか使っておらず、「SNSを活用する」みたいな使い方は初めてであったので、いささかの戸惑いはあったが、
アカウントの作成など、やってみるとそれほど難しいことはなく、すぐに始められる状態にまで持っていくことができた。
いざ、SNSをやってみると、
私が想像していた以上に、政治経済についての関心が高い ということに驚いた。
「とれんど」の方では、政治経済に関する話題も多く、既に大勢の方が、政治経済について大いに語っているではないか。
私はてっきり、もっと隅っこの方で、細々と声を上げていくものだと思っていたのだ。
そしてこのトレンドには、大手メディアが発信していないであろうリアルなホットワードが、所狭しと並んでいる。
逆に、SNSでトレンドとなっている "リアルな関心事" の多くは、大手メディアの方では情報発信されていないのだ。まさに「報道しない自由」というやつである。
自宅とそばチェーン店の往復という、閉ざされた世界の中で生きていた私には、青天の霹靂だった。
特に政治経済に関しては、私より詳しい人はそうはいないのではないか と自負していたものだが、私レベルで知っている方、私以上に知っていると思う方が何人も見受けられ、
私は「井の中の蛙」に過ぎなかったことを知った。
これもまた人生。
恐れ入りながら、私も気になった方々のアカウントをフォローさせて頂いた。
私は不定期で、主に本から、政治経済の情報を得ていた訳だが、
SNSを活用している方は、毎日のように、こういったスペシャリストの方々の情報を目にしている訳なのだから、どんどん先へと進んで行く。
「だからこんなにも詳しいのか」と、SNSのパワーのようなものを目の当たりにした。
SNSをやってみた結果、何故こんなにも多くの方がSNSをやっているのかが、理解できた。
「非常に」面白いのだ。
まず大手メディアが発信していないような有益な情報を、次から次へと、フォロワーさん達が投稿してくれて、それらが "タイムライン" と呼ばれるトップページのようなところに順番に上がってくるので、みんなの更新が楽しみで仕方ない。
そして自らも情報発信するようになると、少しずつではあるが、私のことをフォローしてくれる人が現れてくれて、「いいね」「リポスト」をしてくれるのだ。それもまた嬉しい。
さらに自分が知らないことについても「トレンド」機能によって、思ってもみなかったような情報との出会いがある。
その上、SNS内での「検索」機能まであるようで、知りたいワードのユーザーの生の投稿の数々を見ることも出来て、こちらも大変便利なのである。
テレビ新聞から情報を得ている世界と、SNSから情報を得ている世界は、全くの別物であり、
それぞれの人達は、「まるで違う世界に住んでいる」と言っても過言ではない。
「こんな世界があったとは…」新大陸を発見したコロンブスのような心境である。
何故もっと早くやっていなかったのだろう…とさえ思った。
しかしその後悔よりも、ワクワク感の方が強かった。
自分の人生が進んだように感じたからだ。
(第3話へ続く)